2023.8.21
<著者プロフィール> 浜口準之助(はまぐち・じゅんのすけ)
約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。浜口です。まずは今回も定点観測を。前回の当ブログのアップ日(2023年7月10日)以降の「浜口流コア・サテライト戦略」銘柄について、左は株価が8月4日時点、下はその2週間後、株価が8月18日時点のデータです。
この二週間の断面で見れば、銀行株・商社株・日本製鉄とも下落していることがわかります。ここもとのアメリカ株の下落、また先週金曜日は、中国の大手不動産会社恒大の破綻騒動がネガティブに受け止められていることが背景にあると思われます。
ここ二週間で私が行った売買ですが、日々、三菱商事・日本郵船などでデイトレを行い、今年に入り負けなしです。以下に、先週末の8月18日の事例を掲げます。
日本株の相場観については、今回も基本、変化なしです。日本は、景気後退になる可能性は低く、米国のインフレ懸念は日本に脱デフレをもたらし、加えて海外観光客の増加等、経済再活動につながり、今年後半にかけ、日本株はここで紹介している高配当バリュー株を中心とした、堅調な相場展開を予測しています。一方でリスク要因として、以下にお示しする中国景気の変調があり、足元の日本株の冴えない状況に関し、本件が影響していることは事実と考えます。しかしながら中国も金利を下げる等、対策を行っていることも事実で、ここもとのネガティブな影響は限定的なものと現状、考えています。
世界景気、中国変調が影
7月の生産鈍化、若年失業率公表せず工業生産は前年同月比3.7%増と6月の4.4%増から鈍化した。
マンション販売などがさえず生産の足を引っ張った。
(日本経済新聞 2023年8月16日付)
さて、以下は 8316三井住友FG の過去6か月の推移、株価は8月18日時点の日足です。同銘柄に関し、「株価は趨勢的に上昇トレンドが続く」というシナリオに変化なしです。株価については、「シリコンバレー銀行ショック」前の高値を更新して来た状況であり、期間は不確かながらも趨勢的に上昇を続け、3月に付けた高値、いわゆる10,000円を超えていくことをイメージしています。
三井住友FGは、上半期決算発表段階で自社株買いを検討すると公表しており、三菱商事のような株価上昇の楽しみは、秋にかけてやってくると現状、期待しています。
さや取りについては、今回は特筆すべきものはないので、割愛させていただきます。というより、デイトレがあまりにも儲かるので、さや取り用の信用枠まで使っているというのが実際のところです。
さて、ここからは今回のテーマである「浜口がPBR一倍割れ撲滅運動について東証に確認、地銀に投資妙味ありか」について。
あくまで一例ですが、宮崎太陽銀行の PBR 0.18倍、宮崎銀行の PBR が0.2倍、こんな中で、宮崎銀行が宮崎太陽銀行を買収し、減資を行い、同時に自社株買いをして PBR1倍を目指す。そんな事は可能なんだろうかということを、私は東証に電話で直接尋ねてみました。すると東証曰く、「制度上可能です。そしてそういうことを考えている地方銀行も実際にあるでしょうね」と。
加えて私は尋ねました。本件は金融庁にも確認したほうがいいでしょうか?と。すると東証曰く、「その必要はありません。本件は金融庁と情報共有しています」と。以上を踏まえ、今後の投資戦略について。
まずは、メガバンク3行に投資し、PBR1倍に向かうことを確認。それが確認できたら、ワンテンポ遅れて宮崎銀行に投資を行う。PBR 0.2倍の宮崎銀行は、PBR1倍になると仮定すると、ここから5倍になることになる。そんなシナリオが想定できます。
ここは注目するべきところ。地方銀行で大きな値幅を取ることができると、私は現状、そう考えています。
以上です。なお皆さんの株式運用は、くれぐれも自己責任でお願いします。ここは再強調させていただきます。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。