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著者の大竹氏は著作も多く、名前はよく聞くのだが、これまで実際にその著作を を読んだことはなかった。 本書は、著者が出している「インベストメントレター」に寄せられた質問に対しての 回答をまとめた掲載したものであるが、率直に言って全体としては私自身が期待 していた内容ではなかった。 大竹市は中長期での割安株投資を基本のスタンスとしているらしく、短期的な売買 で利益をあげることは重視していない。長い目で見れば、この投資スタンスは報わ れる可能性がかなり高いように思う。これはそれでよいし、一つの明確な方針であ ろう。
だが、掲載されている質問内容が個別銘柄をあれこれ挙げて、「売った方がよい か」「買ってみるのはどうだろうか」といったものが多く、その回答も結果的には著 者の投資哲学をまとめて示したようなものにはなっていないものが多い。 こうした、個別銘柄を云々して買うだの売るだのといった内容は後から見ると相場の 状況そのものが大きく変化して、実際に本を読んだときには直接的には意味が薄く なってしまっているようなものも少なくなく、本書に掲載されている質問と回答の中 にもそのようなものが見受けられるように感じられた(そうでないものももちろんあ る)。 断定的な「言い切り」調の強い文体も私自身は好みではない(そんなに、ふにゃふ にゃしていたのでは厳しい世界では生き抜いていけないのかもしれないが)。
インターネットバブルの指摘やサンマルクへの評価など、書かれている内容そのも のは納得できたり共感できたりするところもかなりあるだが、本書の編集のあり方は あまりよいものとは思えなかった。
(ふしみん 公務員 40代)
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