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この本で、興味深かったのは、以下の記述である。
「頭の良い人は、相場で負けやすい。」ということである。この理由として、以下の様に説明している。
頭の良い人は、間違えたくないのである。それまで成功重ねて生きてきた人は、自分が正しいことに慣れているため、儲かることより、正しいことの方が安心出来る。トレーダーとして、確実に起こりうる多くの小さな損失を確定させるよりも、負けトレードを放置して、自分の理論が正しかったことをいつの日か、マーケットが実証してくれるのを待つ方が自分の今までの生き方に沿った楽なやり方なのである。
社会的な道徳観も邪魔をする。トレーディングの利益率と、自分のいつも正しくありたいという傾向は相反するからである。彼らにとって、正しくあろうとすることのほうが敗北を認めるよりも気分が良いのだ。
では、どうするかであるが、負けを認めることである。それにより翌日新たな気持ちで再出発出来る。 この本を熟読することで、トレーディングのルールや手法と感情が連動することが、いかに大切かということを学ぶことが出来る。
(H.K、50代、自営業)
どこかの誰かの言った推奨銘柄とやらにとびつくとか、1億だか2億だか儲けた人の売買方法を真似するとかで、 そんなに儲かるはずはない。いや、儲かるかもしれないけれど。
自分は自分であって、他の誰かではない。だから、自分自身をよく理解して、自分にあった投資対象、投資スタンス、 投資方法、投資システムを確立しないけどには、単なるまぐれではなく、安定的に利益を出すことは難しいだろう。
本書は具体的な売買方法などについてはほとんどふれていない。自分の感情をコントロールすること、そのために 自分自身をよく理解することを繰り返し繰り返し述べている。
確かにその重要性ははかりしれない。
利益をうげることが目標なのであり、そのためには常に正しくあろうとし自分の誤りを認めようとしないスタイル は間違いであるという指摘にもうなづける。
では、どうしたら自分の理解を深めることができ、自分に合った売買スタイルを確立できるのか?。してはいけない ことや誤りについては本書の中でも指摘があるが、この具体的な方法についての記述はない。
どうしてか?。その答えは一人一人異なるから。あなたにとってよかった方法が私にとってよいとは限らない。その 逆もしかりである。答えは相場の中でもがきつつ自分で見つけていくしかない。
自己理解や自己洞察を深めることが極めて重要であることを改めて意識させてくれるという意味で、本書は良書である。
(ふしみん、50代、個人投資家)
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