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米国の著名な投資家、ケン・フィッシャーの大作。というのは、全編で750ペー ジもあります。ですが、翻訳ものにも関わらず、本文は口語的で読みやすく、文章も平易です。ま あ、逆に言うと、本質だけズバッと書いてくれた方がいいのだけれどというところもあります。
本書で言う「3つの疑問」とは「実際には間違っているが信じているものは何か」 「あなたに見抜けて他人に見抜けないものは何か」「私の脳は自分をだまして何をし ようとしているのか」の3つです。
最初は高いPERの株式市場はリスクが高いという「常識」の嘘を、次はイールド カーブの意味を、そして最後は近年の行動ファイナンスの成果を、わかりやすく説明 してくれています。
本書で必読なのは最後の9章。例えば定年退職以後の運用は、株式の比率を減らし た方がいいのでしょうか。著者は多くの場合、そんなことはないと書いています。こ こに示された4つのルールは「儲かる銘柄探し」のためのものではありませんが、自 分の運用に照らし合わせて考えてみる価値があると思いました。
全体として、ちょっと長すぎないか、でも、本物という印象の一冊でした。
ふしみん、50代、公務員
パンローリングさんでは、3冊目でしょうか。ケン・フィッシャーの書いたものは。
この本の基本は、短期売買ではなく、長期にベンチマークに勝つためにはどうしたらよいかについて書かれています。そして、そのベンチマークには、ダウを用いてはダメ、S&P500を用いるべきだと書いています。
なぜダウではダメなのかというのは、実際に本を見てもらうことにして、こういう考え方もあるのだということに触れることが大事だと思います。個人的には、長期投資においては、どっちをベンチマークにしてもいいのではないかと思うのですが、自分と違う考え方に触れ、改めて自分の考え方は正しいのだろうか?と再考してみることは、投資においても、人生においても大事なことのひとつになるかもしれないと思いました。
3つの疑問のうちのひとつに、「私の見えるもので他人に見えないものはなにか?」というものがあるのですが、これは要するに、「知っている人は得をし、知らない人は損をする」といったことだと思われます。
例えば、商品先物では、現在ではできないらしいのですが、「秋山スペシャル」というものが存在していて、同じ商品が違う市場により制限値幅が違うことによって利益を生む方法があったらしいのです。この方法で大金を稼いだ人もいるらしいのですが、私自身は、まったくこの方法を知らずに、残念ながらこの方法で稼ぐことができませんでした。
ですから、市場には、他人の大部分が知らずに、ある一部の人だけが、高い可能性で稼ぐ方法がまだまだあるはずですので、そういった方法を多く見つけて、うまく勝ち逃げできればいいかなと思います。
残り2つの疑問の内容などは本書に譲るとして、この本については、700ページ以上にわたる大書であります。その中に、こういった、投資におけるヒントが書かれているので、読む価値はあるものだと思います。
bblue、40代、会社員
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