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利益64,800% 危機を好機に変える
リスク限定のコツコツ戦略
トレーダー/投資家として思い出したくない最悪の危機ほど、
実は後で似たようなことが起きたとき「最良の好機」となることがあります。
ただし、そこから「教訓を得れば」の話です。
昨年8月頭にあった株価暴落のことを思い出してみましょう。
こちらは、それまでの日経平均終値です。
2024年07月18日 40126.35
・・・
2024年07月29日 38468.63
2024年07月30日 38525.95
2024年07月31日 39101.82
2024年08月01日 38126.33
2024年08月02日 35909.70
2024年08月05日 31458.42
2024年7月11日、米ドル円相場が160円台に上昇し、円安となるなか、
日経平均はついに42000円を突破しました。
ところが、その日と翌日に政府・日本銀行が為替介入を実施すると、
相場の様相は一変してしまいます。
ドル円は瞬く間に軟調となりました。
そして、同月末には急落してしまいます。
図1 米ドル円(2023/06/29 - 2024/09/12)
出所)TradingView
それは円安による好業績期待で持ち上げられていた日経平均も同様でした。
ハシゴを外されたことで転げ落ち、8月2日には2166.63円安、
そして5日には4451.28円安の暴落となったのです。
図2 日経平均(2023/12/01 - 24/09/20)
出所)TradingView
その後、日経平均はV字に回復したわけですが、
2025年6月現在に至っても、
この時期に付けた大天井を更新しているわけではありません。
ドル円もそうです。
また、個別株や投資信託のなかには、
それほど順調に戻らなかった銘柄もあるでしょう。
株価がブレ始めたとき、その兆候を察知できていれば――
そして保有株の含み損を補う「保険的な方法」があれば――どうでしょうか。
その収益から保有株を買い増したり、
別の銘柄に切り替えたり、できたかもしれません。
急変の兆候がわかる信用倍率
実は通信講座『OP売坊戦略コース』の会員様に配布している
「リスク管理エクセルシート」では、2024年7月18日に警戒の兆候が出ていました。
会員様の優位性を守るため詳しくはいえませんが、
オプションのリスク指標である(そして難解な)
グリークスの本質を踏まえたうえで、
それを直接的に使わずに日々の相場状況を把握しようという統計モデルです。
また、「週次レポート」で継続的に観測している「着眼点」からも
警戒すべき状態になっていました。
例えば、信用倍率です。
信用倍率とは信用買い残を信用売り残で割ったものです。
JPX(日本取引所グループ)から
週末のデータが翌週第2営業日の17時ごろに発表されています。
信用倍率=信用買い残÷信用売り残
信用倍率が高い水準にあるのは
(1) 信用買い残が多くなっている
(2) 信用売り残が少なくなっている
(3) 両者が起きていることを示唆しています。
つまり、信用買い残が多いのは
「いずれ売り落ちさせたい」ニーズが潜在的にあります。また、信用売り残が少ないのは
「いずれ売り建てたい」ニーズが潜在的にあります。
経験則的に信用倍率が5倍以上にあるときは
相場の上限を示唆していました。
これが24年4月の時点で7倍を超えており、
高値を警戒すべき状況にあったのです。
図3 信用倍率と日経平均
(2016年4月 - 24年8月2日)
特に注目すべきは
歴史的高い水準にあった信用買い残でした。
図4 信用買い残と信用売り残
(2016年4月 - 24年8月2日)
また、会員様の優位性となるため詳細は申し上げられませんが、
7月29日から日経平均のボラティリティ(変動性)に
「ボラのお告げ」なる異常値が発生していました。
転ばぬ先のPUT買い
急落でも保険の役割を果たす
このような急落は今後も起こる可能性が高いと考えています。
事実、2025年の4月にもありました。
そうした兆候を察知したときの「保険」として
一考の価値があるのが「日経225PUTの買い」です。
PUTとは、期限がきたときに、
あらかじめ決められた価格で売れる「権利」のことです。日経225PUTには、いくつもの「あらかじめ決められた価格」があり、
これを権利行使価格と呼んでいます。それぞれの権利行使価格に“権利料”があり、
その権利料がオプション価格として日々変動しているわけです。このオプション価格は「プレミアム」とも呼ばれています。
例えば、日経平均が38000円のとき、
権利行使価格が37000円の日経225PUTを買ったとしましょう。
期限がきたときに日経平均が31000円にまで下げていれば、
そのPUTの権利を行使して37000円で売れるので、
6000円の利益が出ていることになります。
逆に、そのとき日経平均が40000円になっていたとしても
権利を行使しなければよいだけです。
したがって、損失は最初に支払ったプレミアムだけとなります
(※以下、すべての損益計算で税込み手数料を除きます)。
どんなに日経平均が逆に動いたとしても
最大損失は支払ったプレミアムだけです。
そして、これが先物にはない
オプション買いの優位性のひとつなのです。
さて、7月にPUT買いを仕掛けていれば、
かなりの収益となっていたことになります。
例えば、日経225オプション24年8月9日期限で40000円のPUTは、
7月11日終値で145円でした。
これが8月5日には、9445円まで暴騰しているのです。
図5 日経225OP24年8月限40000PUT
(2024/07/11 - 08/06)
このPUTを1枚(1取引単位=1000倍)145円で買い、
9445円で売っていれば、
9300×1000=930万円の利益が出ていたことになります。このPUTを1枚買うのに払うプレミアム14万5000円が最大損失となります。
しかし、もちろん、期限まで持っておく必要はありません。
目論見が外れたら、すぐに売ってしまえばいいのです。
また、現在値からかなり外れた権利行使価格のPUTですと、
支払うプレミアムが比較的安く済むでしょう。
図6 日経225OP24年8月限30000PUTの相場表
(2024/08/01 - 05)
出所) 楽天証券『MARKETSPEED』と『MARKETSPEEDII』
例えば、日経225OP24年8月9日限30000PUTを
8月1日に1枚2円で買っていて、5日に1300円で売っていれば、
1298×1000=129万8000円の利益が出ていたことになります。この場合の最大損失は2000円です。
低コストのベアPUT
日経平均が下げれば利益、上昇しても損失限定
どの権利行使価格のPUTを買うか迷うところです。
通常は現在値に近い権利行使価格のPUTのほうが、 プレミアムは高くなります。
そこで検討したいのが「ベアPUTスプレッド戦略」です。
PUT買いの優位性である「損失限定」はそのままに、
低コストで仕掛けられる戦略です。
コツはありますが、決して難しい戦略ではありません。
PUT買いに、同じ期限で、それよりも低い権利行使価格の
PUTを同枚数売るだけです。
PUTを売ると今度はプレミアムを受け取れます。
その分でPUT買いに支払ったプレミアム分を
いくらか相殺させようというわけです。
ベアPUTスプレッド
「権利行使価格AのPUT売り + 権利行使価格BのPUT買い」の組み合わせ
A<B(同一期限・同一枚数)
例えば、日経平均が38000円のとき、
35000PUTを1枚15円で買い、34500PUTを1枚7円で売ると、
1万5000円(=15×1000)のプレミアムを支払い、
7000円(=7×1000)のプレミアムを受け取ることになります。
つまり、差し引き8000円の最大リスクで仕掛けられるわけです。
このポジションを期限まで維持したとしましょう。
そのとき日経平均が34500円を割れていたとすれば、
日経平均を35000円で売り、34500円で買うことになるので、
500円の利幅が出ていることになります。
したがって、1組当たり8000円の最大リスクに対して
49万2000円(=500×1000-8×1000)が最大リターンです。
このように、日経平均の動きに対して
ベアPUTスプレッドの損益は図7のように変化します。
図7 ベアPUTスプレッドの損益図
日経平均の下落に収益性があり、日経平均が上昇しても損失限定です。
大きく下落した場合、利益も限定されますが、
実は費用対効果(リスク対リターン)が
単なるPUT買いよりも高い場合が、よくあるのです。
このように低リスクで収益性が高そうな戦略を
OP売坊先生が主宰する『OP売坊戦略コース』では紹介しています。
また、その対象は日経平均だけでなく、
米国株・ETF(上場投信)やFX(為替証拠金取引)にも広げています。
日経平均の急落はこれからも起こるかもしれません。
事実、2025年は450円以上に乱高下する日が増えています。
その兆候を察知できれば、保有株の含み損を減らしたり、
その収益から保有株を買い増したりできるかもしません。
では、その「兆候」をいかに見つけ出すか。
その「着眼点」について、セミナーでお話できればと思います。
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