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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/06/05 11:34, 提供元: フィスコ

NexTone Research Memo(4):期初計画を下振れたものの2桁増益で着地、基盤収益は着実に拡大

*11:34JST NexTone Research Memo(4):期初計画を下振れたものの2桁増益で着地、基盤収益は着実に拡大
■NexTone<7094>の業績動向

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比7.0%増の20,774百万円、営業利益が同29.4%増の1,301百万円、経常利益が同29.8%増の1,334百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同14.3%増の791百万円であり、増収増益となった。営業利益の増減要因を見ると、増収要因として全セグメントともに増収を確保したことによる効果が4.8億円、減収要因として人件費増加が0.4億円、システム・その他コスト増加が1.4億円となる。

一方で、期初計画比では売上高が2,226百万円、営業利益が499百万円下回って着地した。計画未達の主因は著作権管理事業のインタラクティブ配信及びDD事業における配信関連の取扱高が期初想定を下回ったことに加え、ビジネスサポート事業で新規サービスの取引先開拓やサービス展開が遅延したことである。また、エッグスの一部事業譲渡に伴い減損損失239百万円を特別損失に計上した。もっとも、著作権管理事業を中心とする基盤収益は着実に拡大しており、配信関連の取扱高回復が確認されれば、収益成長の再加速が期待されよう。

2. 事業セグメント別動向
(1) 著作権管理事業
著作権管理事業の売上高は前期比5.2%増の1,604百万円、セグメント利益は同1.8%増の704百万円となった。徴収額全体は同12.2%増と拡大した。国内利用ではインタラクティブ配信の使用料徴収額は同2.4%増と伸び率が鈍化したものの、録音権はアイドル系楽曲の音楽ソフト等での利用が好調に推移し、同24.4%増と大幅に拡大した。放送・有線放送も管理楽曲の番組利用が増えたことで同16.6%増となった。海外では2024年7月から開始したYouTube動画視聴における世界規模での直接徴収や各国管理事業者との直接契約拡大が奏功した。2026年3月期末の管理楽曲数は823,341曲となり、前期末の691,490曲から順調に積み上がった。利益面では楽曲数の増加に伴う人件費及びシステム関連費の増加を吸収し、増益を確保した。

(2) DD事業
DD事業の売上高は前期比6.8%増の10,345百万円、セグメント利益は同8.6%増の1,045百万円となった。取扱原盤数の増加に加え、ストリーミング音楽配信市場と動画配信サービス市場の拡大、アニメ・ゲーム関連及びVTuber等のネットクリエイター関連の原盤再生の増加、大手権利者の旧譜解禁が増収に寄与した。2026年3月期末の取扱原盤数は1,657,158原盤となり、前期末の1,470,294原盤から増加した。2025年7月にはレコチョクで新サービス「FLAGGLE」の提供を開始した。エッグスが運営していたDDサービスは、2026年4月1日付でレコチョクへ吸収統合され、今後はレコチョクを主体に運営を継続する方針である。

(3) 音楽配信事業
音楽配信事業の売上高は前期比1.9%増の7,726百万円、セグメント利益は同17.0%増の1,565百万円となった。個人向け主力サービス「dヒッツ」のサービス料金を2024年12月に改定したことにより、価格改定効果が増収寄与した。法人向けでは、2025年6月から原盤利用許諾スキーム「レコチョク play」の提供を開始し、カラオケ機器メーカーへの展開を進めた。コシダカホールディングス<2157>が運営する「まねきねこ」への導入店舗数は、2025年6月末時点で1都3県約200店舗に対し、2026年3月には全国約770店舗のうち700店舗まで拡大した。利益面では人件費及びシステム関連費の抑制が進み、2桁増益となった。

(4) その他
その他事業の売上高は前期比32.1%増の1,978百万円、セグメント損失は325百万円(前期は425百万円の損失)となった。キャスティング事業でライブビューイングの大型案件を複数実施したことが増収に寄与した。一方で、エッグスにおける新規サービスの取引先開拓やサービス拡大が想定より遅れたことが重荷となり、セグメント損失が継続した。同社は2026年3月31日付でエッグスの一部事業を第三者へ譲渡し、減損損失239百万円を特別損失として計上した。

3. 財務状況と経営指標
2026年3月期末の財務状況は、資産合計が前期末比995百万円増加の15,827百万円となった。流動資産は同1,236百万円増加し、主には現金及び預金が1,435百万円増加した。固定資産は同241百万円減少の2,318百万円となった。システムの継続的な改修及び新機能追加により無形固定資産の取得を進めた一方で、固定資産の償却や除却、エッグスにおけるソフトウェアの減損損失計上などが減少要因となった。負債合計は同248百万円増加の9,365百万円となった。流動負債は同438百万円増加し、主には買掛金が181百万円、未払法人税等が199百万円それぞれ減少した一方で、著作権者への分配に係る未払金が763百万円増加した。固定負債は同188百万円減少し、主には長期未払金が123百万円減少した。純資産合計は同746百万円増加の6,461百万円となった。主には親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が791百万円増加した。自己資本比率は35.2%となり、前期末比3.1ポイント改善した。同社は今後もシステムの改修や新機能追加など、事業成長に向けた成長投資を進める方針である。また、非連続的な成長に向けてM&Aも積極的に検討しており、外部リソースの活用による事業領域の拡大も視野に入れる。2026年6月には創業以来初となる配当を実施予定であり、2027年3月期は増配を予定している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)


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