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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/08/05 11:04, 提供元: フィスコ ユビAI Research Memo(4):顧客が必要とするソフトウェアテクノロジー・サービスを国内外に展開する*11:04JST ユビAI Research Memo(4):顧客が必要とするソフトウェアテクノロジー・サービスを国内外に展開する■ユビキタスAI<3858>の事業概要 1. 経営環境 国内の組込みソフトウェアの市場は、インターネットなどの通信技術の進歩、半導体技術の進歩とともに、あらゆる電子・電気機器に組み込まれ市場規模は拡大している。そのなかでも、自動車のCASE※1が進展するなかでモビリティ製品の進化・変化が大きく、車を通信ネットワークにつなぎナビゲーション(地図情報)、車両情報、メディア・音楽情報などを提供するインフォテインメント※2/情報系ソフトウェア、エンジン・トランスミッション・ブレーキなど多くの車載機器を電子制御するECU※3/制御系ソフトウェアの需要が高まっている。また、AIの活用が進むなかでADAS※4(先進運転支援システム)に関するソフトウェアの開発が急速に進んでいる。組込みソフトウェアの市場としては、この車載関連の市場が最もシェアが高いと同社では捉えており、今後もシェアが高まると考えている。同社においても、車載関連機器を製造する顧客の売上シェアが3割を超える。そのほか、IoT機器の普及とともにソフトウェアのセキュリティ対策が不可欠となってきており、その需要が高まっている。2030年には300〜400億台が普及していると言われるIoT機器については、カーボンニュートラル対策として電力使用量の削減につながる高速起動、RTOSなどのソフトウェア製品で貢献していくことが重要なテーマだ。また、AIを各種システムに導入する動きも活発になっており、特にスマートフォン、センサー、自動車のデバイスなどに搭載され、デバイス内でデータ処理を行い、デバイスが独自に学習や推論を行うエッジAIなどの市場が拡大すると思われる。 ※1 CASE:「Connected」(コネクテッド)「Autonomous」(自動運転)「Shared & Services」(カーシェアリングとサービス)「Electric」(電気自動車)の頭文字をとった造語で、自動車産業の今後の方向性を示すキーワード。 ※2 インフォテインメント:自動車内でドライバー・乗員に情報、娯楽を提供するシステムを指す。 ※3 ECU:Electric Control Unitの略。自動車の各種機能を電子的に制御する装置、システムを指す。 ※4 ADAS:Advanced Driver-Assistance Systemsの略。自動車のドライバーへの警告機能、制御支援、自動化機能、自動ブレーキなど運転を支援するための技術や機能の総称で、先進運転支援システムと言われる。 ソフトウェアの開発を行う国内企業は、富士ソフト<9749>、シーイーシー<9692>、NSW<9739>、(株)日立ソリューションズ、NTTデータグループ<9613>など大手企業が並ぶが、いずれも同社のように組込みソフトウェア製品を自社開発し販売するのではなく、業務システムやWebアプリ開発など受託開発の比重が高いため明確な競合先は少ないようだ。一方、同社自身が海外製品を輸入販売しているため、海外製品輸入企業や海外製品と競合する。国内競合先としては、リネオソリューションズ(株)、NEXT(株)、イー・フォース(株)、イーソル<4420>、テクマトリックス<3762>、(株)日新システムズなどが挙げられる。海外製品の競合としては、Synopsys、wolfSSL、AMI(American Megatrends Inc.)などがある。また、製品においては、半導体メーカーが自社のMCU/MPU向けにバンドルして配布するOSやミドルウェアとも競合する。 この業界において業歴24年を誇る同社は、大手電子・電気機器メーカーを中心に1,000社以上の顧客を有するほか、製品輸入先の海外の主要パートナーは35社、100製品以上をラインナップしていることが強みである。国内外の広いネットワークを通じて最新の技術・製品をキャッチアップし、顧客のモノ作りの最前線で必要とされるソフトウェアサービスを提供できる。海外パートナーとの取引は、同社の製品担当者が市場や技術トレンドをリサーチし、海外パートナー候補企業に直接コンタクトするほか、展示会、Web問い合わせフォーム、SNSなどを活用したマーケティングを強化している。一方、海外メーカーからも同社へのコンタクトが多く、既往の海外パートナー、そのパートナー企業からの転職者、半導体ベンダー、大使館等からの紹介があるようだ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘) 《HN》 記事一覧 |