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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/07/09 15:07, 提供元: フィスコ フタバ Research Memo(7):2026年3月期は中国での販売厳しく減収、全社では合理化改善進み増益見込む*15:07JST フタバ Research Memo(7):2026年3月期は中国での販売厳しく減収、全社では合理化改善進み増益見込む■今後の見通し ● 2026年3月期の業績見通し フタバ産業<7241>の2026年3月期通期の連結業績は、売上高6,800億円(前期比3.8%減)、営業利益160億円(同5.4%増)、経常利益160億円(同20.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益120億円(同93.3%増)と減収増益の見通しだ。売上高(支給品除く)は4,200億円(同5.0%減)と前期を222億円下回る予想だ。為替レートは145.0円/ドルと前期の実績より7.6円/ドル円高を想定しており、為替レートを考慮した前期の売上高(支給品除く)が約4,300億円となるため、実質的には前期を約100億円下回る。主力得意先であるトヨタ自動車の販売台数は世界で4.7%増、日本で4.0%増、米国で8.8%増を見込むが、同社では計画からの下振れリスクなど過去の経験則から、総じて保守的に売上を見積もっているようだ。なお、同社のグローバル拠点は地産地消が進んでおり、日本から米国への輸出も多くなく米国関税の影響は軽微である。また、年間を通した予想も困難であり影響は織り込んでいない。 セグメント別では中国での販売環境がさらに厳しくなると予想しており、売上高(支給品除く)は前期を161億円下回る見通しだ。日本、欧州もそれぞれ57億円、14億円の減収となる見通しだ。一方、北米では部品を納入しているトヨタ自動車のグランドハイランダーのエアバッグの安全基準不適合リスクによる生産停止(2024年6月下旬から10月下旬まで)の影響がなくなるため前期を39億円上回る予想としている。アジアは、インド事業の成長もあり前期を5億円上回る見通しだ。 損益面においては、営業利益の減少要因として、売上減少・売価変動により42億円減、インフレに伴う材料費・労務費・経費の増加により81億円減、金型回収費などその他の利益減により40億円減と計163億円の減益を見込む。一方、適正な価格転嫁により98億円増、生産の合理化改善により61億円、減価償却費の減少で12億円増と計171億円の増益を見込み、合計で8億円の増益、経常利益では前期の為替差損や事業構造再編費用などを想定しないため27億円の増益を見込む。セグメント別では、日本と北米は材料費・労務費・経費の増加よりも価格転嫁幅が大きく、加えて合理化改善が大きいため、それぞれ8億円、39億円の増益を見込む。一方、中国では生産拠点の統合や前期での設備減損により合理化改善、減価償却費の減少で26億円増益を見込むも、売上などの減少が大きく合計では20億円の減益を見込む。また、欧州、アジアでは相応の価格転嫁が見込めないため、それぞれ10億円ずつの減益を見込む。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘) 《HN》 記事一覧 |