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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/05/15 11:11, 提供元: フィスコ C&R社 Research Memo(11):グループシナジーを生かした事業承継型M&Aを成長戦略の1つに据える*11:11JST C&R社 Research Memo(11):グループシナジーを生かした事業承継型M&Aを成長戦略の1つに据える■中長期の成長戦略 1. 中期経営計画の進捗状況 クリーク・アンド・リバー社<4763>は2024年2月期よりスタートした3ヶ年の中期経営計画で、「プロフェッショナルとともに事業を創造することにより、豊かな社会を創る」をテーマとし、重点施策に「プロフェッショナル分野のさらなる拡大」「新規サービスの創出」「経営人材の創出」「コーポレート・ガバナンス強化」を掲げ、持続的成長を目指してきた。 業績の進捗状況は、2024年2月期並びに2025年2月期は当初計画を下回る結果となった。直近2期は人材投資の積極的な推進や医療分野の構造改革に時間を要したこと、人材紹介サービスが低迷したことなどが業績の未達要因となった。こうした進捗状況も踏まえて、2026年2月期の業績計画については当初目標(売上高605億円、営業利益56.5億円)からやや下方修正した。ただ、3期の年平均成長率で見ると売上高で10.8%、営業利益で8.1%と成長トレンドが続く見通しであることに変わりない。 2027年2月期以降は、既存事業の着実な成長に加えて、事業承継型M&AやCXOエージェンシー事業を通じた経営支援並びに経営者人材の育成に注力し、社会問題の1つとなっている中小企業の事業承継問題への取り組みを強化しながら収益成長を目指す考えだ。同社は41万人を超えるプロフェッショナル人材ネットワークと5万社を超える顧客基盤、並びに潤沢な資金を有しており、これらリソースを活用することで中長期的に収益成長を続けていくものと弊社では見ている。 領域拡大により売上高1,000億円、営業利益100億円を長期目標に掲げる 2. 長期目標 同社は、長期的な業績目標として売上高1,000億円、営業利益100億円を掲げている。プロフェッショナル領域を現在の18分野から、将来的に50分野まで広げていくことに加えて、グループ資産を生かした新規サービスの育成に注力する。プロフェッショナル人材ネットワークは現在の41.5万人から150万人に、顧客数は5.2万社から15万社を目標としている。 ■株主還元策 配当性向30%水準を目安に配当を実施、自己株式取得も適宜検討 同社は配当方針として、安定配当を基本に配当性向の目安を2024年2月期より従来の20%水準から30%水準に引き上げた。同方針に基づき、2025年2月期は減益決算となったものの1株当たり配当金は前期と同額の41.0円(配当性向38.9%)を維持した。2026年2月期は同4.0円増配の45.0円(同30.0%)を予定している。また、自己株式の取得についても株価水準を考慮したうえで適宜検討している。直近では2023年2月期に約5億円、2024年2月期と2025年2月期にそれぞれ10億円弱の自己株式の取得を実施した。2025年2月期の総還元性向は80%超の水準となっている。直近も2025年1月〜5月末を取得期間として、取得株数40万株、取得総額5億円を上限とした自己株式の取得を実施中であり、今後も積極的な株主還元が期待される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |