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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/04/23 12:06, 提供元: フィスコ SOLIZE Research Memo(6):デザイン事業は利益縮小も、マニュファクチュアリング事業は合理化で黒字転換*12:06JST SOLIZE Research Memo(6):デザイン事業は利益縮小も、マニュファクチュアリング事業は合理化で黒字転換■SOLIZE<5871>の業績動向 2. 事業セグメント別動向 デザイン事業の市場環境は、国内自動車産業の景況感が横ばいの状況であったが、自動車産業の顧客を中心に、同社サービスに対する需要拡大の傾向が継続した。このような環境の中、自動車関連メーカーにおける設計開発にかかる受託、エンジニア派遣サービス及びソフトウェア開発等の分野において受注を拡大し、インド現地法人 SOLIZE India Technologies Private Limitedにおいても3D CADのソフトウェア販売の受注拡大を継続した。また、中長期の収益拡大の加速を目的にエンジニア及びコンサルタントの採用活動を強化して増員したほか、分社化に関する活動及び関連する人員の増強を行った。これらの結果、売上高は18,612百万円(前期比15.2%増)、セグメント利益は334百万円(同66.5%減)となった。2024年12月期は、経験者の積極採用や国内拠点の拡張を進めた結果、収益に先行して販管費が増加し、セグメント利益が悪化した。 マニュファクチュアリング事業の市場環境は、3Dプリンターにかかる試作品や保守サービスに対する堅調な需要が継続した一方、3Dプリンターの販売に対する需要は横ばいの傾向が継続した。特に相対的に利益率の高い試作品製造販売の需要回復継続が顕著だった。このような環境のなか、同社グループは、自動車関連企業や機械メーカーを中心とした主要顧客に対する試作品サービスの提供を継続した。また、従前より販売を積み重ねてきた3Dプリンター納入顧客に対するメンテナンスサービスや材料の供給等、保守サービスによる収益も拡大した。さらに、マニュファクチュアリング事業の体制見直しで工場の統合等を進めたことにより、販管費が抑制され収益性が改善した。これらの結果、売上高は4,101百万円(前期比4.4%増)、セグメント利益は120百万円(前期は112百万円の損失)となった。 同社グループでは、人への投資が重要な業績管理指標(KPI)と考えており、国内エンジニアにかかる指標を重視している。2024年12月期は経験者採用を強化した結果、国内エンジニア数は1,389名(前期比106名増)、国内派遣単価は、顧客との交渉により上昇し4,809円(同253円増)となった。国内派遣稼働率は95.0%(同0.1ポイント上昇)で、コロナ禍により80%台に落ち込んでいた時期を脱し、正常な水準に戻っている。 3. 財務状況と経営指標 2024年12月期末の財務状況は、資産合計が前期末比2,402百万円増の15,448百万円となった。これは、自己株式の処分等により現金及び預金が1,028百万円増加したほか、取引量の拡大等により棚卸資産(商品、仕掛品、原材料及び貯蔵品の合計)が115百万円増加したことなどによる。 負債合計は前期末比594百万円増の3,970百万円となった。これは、未払金が194百万円増加、賞与引当金が193百万円増加、買掛金が135百万円増加、未払費用が117百万円増加したことなどによる。純資産合計は前期末比1,808百万円増の11,478百万円となった。これは、自己株式の処分等により株主資本合計が1,719百万円増加したことなどによる。 以上の結果、自己資本比率は前期末比0.2ポイント上昇し74.3%となり、2024年3月期にプライム・スタンダード・グロース市場に上場するサービス業平均の6.2%や全産業平均の33.7%を上回る高い安全性を確保した。一方、ROAやROEなどの収益性指標は、大幅な減益決算によりサービス業平均及び全産業平均を下回ったが、今後は成長戦略の推進により改善に向かうと見られる。また、自己資本が厚く、自己資本比率が極めて高いことから、同社のROEは低い水準に留まるものの、同社では借入金がなく無借金経営を続けている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) 《HN》 記事一覧 |