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経済サイクル投資法――気候と地政学と新技術が導く市場の構造変化と長期トレンド
この本は、ゴールマンサックスの株式ストラテジストにより書かれている株式などの経済に関するサイクルを分析しているものです。サイクル分析の本としては、金利や株式やリートや為替などを詳細に分析している『相場ローテーションを読んでお金を増やそう』(岡崎良介著)や、古めの本ですが金融相場や業績相場などを詳細に分析している『相場サイクルの見分け方 銘柄選択と売買のタイミング』(浦上邦雄著)といった良書がありますが、この本もこれら2つの書に匹敵するほどの良書であります。 この本においても、金利やインフレや株式のサイクルについて分析しています。さらに、戦後から現在(コロナショック後)までのサイクルについても詳細に分析していますので、過去にどういったことが起こっているかを知り、これからに生かすことができます。例えば、1970年代はインフレが高進して、景気と株価は低迷ぎみ、金利はかなり上昇と、インフレについては現在(2020〜2024年)に少し似ている状況にありますので、これからどうすればよいかを考える上で参考になると思われます。1970年代においては、アメリカではインフレを抑えきれずに、FRB議長にポール・ボルカーが就いて、なりふる構わずインフレを抑えるために金利を大幅に上昇させて、ようやくインフレが収束したのですが、現在において、FRBパウエル議長(植田日銀総裁)がいかにインフレを抑える(2024年は比較的安定していますが・・・)かが、今後の景気や株価などに大きく影響を与えるでしょう。 さらに、最近ではハイテク系の銘柄のパフォーマンスがよいですが、過去には鉄道がよかった時代もあるなど、時代によってはやりのセクターは変化していくことや、株式の弱気相場にも、構造的な弱気相場など3つの異なる弱気相場があるなど、示唆に富む内容となっておりますので、購入して辞書的にずっと使っていく類の本だと思います。 bblue 50代 自営業兼投資家
経済的・政治的環境が異なっても、移り変わる群衆心理によって、絶望から始まり、希望、楽観主義、そして最終的には非合理的な熱狂が生じることが、相場の格言で例えられている。 投資において、現在の相場環境や景気が、金融市場のサイクル上でどの位置にあるのかが事前に分かれば、株式投資でどの銘柄に投資するのが良いか、積極的か、持ち高を減らし現金化し次の投資タイミングを待った方が良いのかなど、投資判断の参考になることは間違いない。 この本は、大手米国投資銀行であるゴールドマン・サックスの株式チーフストラテジストが、戦後における経済及びデータを分析することで、景気や金融市場にサイクルとトレンドがあり、それは繰り返し生じていることを詳しく解説している。 特に、戦後のスーパーサイクル(戦後の好景気、インフレと低リターン、モダンサイクル、バブルとトラブル、リーマンショック後、パンデミックなど)、及びポストモダンサイクル(技術革新、熱狂、投機、バブル、二次的技術の登場、AIなど)を理解することで、サイクルの期間、スケールが従来とは異なってきていることが理解できる。 相場のサイクルや波動理論に関するテクニカル的な解説は他の本に譲るとして、この本では戦後における実際の経済・政治環境や出来事を踏まえた上での金融市場のサイクルを再点検することで、金融市場に関するサイクルに関する自分自身なりの考え方や座標軸ができ上がるような章立てになっている。 外部のノイズや他人の意見に左右されず、骨太の長期的な株式投資をしたいと考えている投資家には非常に有益な本だと思われる。 炎のディーラー(投資歴 28年) 商品説明ページへ お買い物かごに入れる
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