むか〜し昔にテクニカル分析をしていたワイコフというお方のトレード手法を研究発表しているデビッド・Hウェイスという方の著書です。昔といっても、温故知新という言葉もありますし、現在に通用しないというわけではありません。
名著『投資苑』など著書があるアレクサンダー・エルダーの序文があります。それによると、「あなたも長い時間をかけて本書を読むことだ。そうすれば本書から得るものは多いはずだ。」ということです。確かに、この本には、支持線・抵抗線、トレンドラインなどから、いかにトレードをしていくかという多くの例が、詳細な解説とともに載っています。これらを読み解くには、立ち読みでできるものではありません(そもそも本が重いです)。よって、家などでじっくりと読む類の本だと思います。
トレード手法のひとつの例としては、スプリングとアップスラストいうものがあります。詳しくは本に譲りますが、この手法は、トレード世界大会為替部門チャンピオンであるバカラ村氏も提唱していた由緒ある手法であります(ちなみに、相場界で著名人は多くいれど、理論と実践が伴うことが実証されているという面においてバカラ村氏はトップクラスであるので信頼性は高いです。)。この手法を使いこなせば、トレードの世界で生き残る可能性が高まると思っています。
トレード対象は、株、為替、商品など、時間軸も、月足、週足、日足、時間足など多くチャートで解説されていることから、テクニカル分析を上達したいという方にとって、とても役立つ本になると思います。
bblue 自営業兼投資家 50代
本書はトレーダー待望の邦訳で、約100年前に書かれたリチャード・ワイコフのトレード手法を研究した著名なマーケットアナリストであるウェイスが書いたワイコフの奥義の解説本である。こんな古いトレード手法は、もはや現代においては通用しないのではないかと疑いつつ、読み進めていくと、基本的ではあるが、なかなか真髄をついた奥深いものである。
ウェイス自身は、エリオット波動にも精通しているアナリストであるがエリオット波動のことには特に触れず、純粋に本書は約100年前に書かれたワイコフの奥義を解説したものであり、売り方、買い方の需給のバランスに注目し、トレンドライン、エントリーポイントである相場反転のシグナルであるスプリング、ストラトスの重要性を何度も説いている。スプリング、ストラトスについては、是非、本書を読まれることをお勧めするが、自分としては、売り方と買い方勢力の力関係を見極め、勢力が反転するローソク足で言う長いひげが出たところでエントリーした後は、トレンドラインと波動(本書では、「ウエーブ」と表記されている)を重視する考え方と理解した。
昨今の為替市場におけるファンド筋の売り攻め、買い攻め、買い戻し、売り戻しなど、まさに大きなひげを残すことが多いと感じるが、アルゴリズムが流行の現代においても、約100年前の古典的な考えを生かしたトレードにチャンスがあることに今更に驚く。きっと複雑なテクニカルに飽きたディーラーには、待望の一冊ではないだろうか。
炎のディーラー(金融機関勤務、投資歴25年)